2021年上半期 台湾を襲った3つの事件

こんにちは、台湾在住Webエンジニアのたいち(@taichikun_51)です。

台湾親日で治安もよく、日本人にとって生活しやすい国ですが、2021年はこれまでにないくらい大変な事件が起きました。

台湾ブロガーとしてここに備忘録を残しておきたいと思います。

筆者プロフィール

・関西外国語大学で英語を学ぶ
・アメリカ ユタ州立大学へ交換留学
・京都大学 大学院で認知言語学の研究
・某大手学習塾で英語教師兼教室長
・台湾の日本語学校で日本語教師兼広報
・台湾でWeb制作エンジニアとして活動中

スポンサーリンク

大規模停電

5月13日、台湾電力(TPC)が突然計画停電を実施することを決め、約400万世帯に影響が及びました。

被害を受けたのは、台北市や新北市、高雄市といった台湾の主要地域だったこともあり、被害総額は日本円で約7億8400万円にも上ったと言われています。

台湾メディアの中央社電によると、「TPCの作業員が変電所の送電網容量拡充のテストで、誤って別の断路器をオンにしたことで、バスバーが故障し、発電所から送電できなくなった」とのことでした。

13日の午後からは台湾における各地域を以下のように分け、計画停電が実施されました。

駅の近くなど生活インフラに関わっている地域では停電は行われなかったようで、幸い僕のアパートも停電は免れました

しかし、僕が以前勤めていた日本語学校では夜の授業が全クラス休講になり、再度スケジュールを組みなおすことになったそうです。

このような二次災害を受けたところも少なくありません。

日本ではなかなかお目にすることができない大規模な停電でした。

町の様子↓↓

計画断水

台湾は日本と同様、南北に長い島国です。

そのため地域によって気候は大きく異なります

北部や北東部に位置する台北や宜蘭などは1年を通してもパッと晴れる日が少なく、その分、雨に恵まれた地域と言えます。

一方で、新竹以南(苗栗、台中、彰化、雲林、台南、高雄)の地域は1年中天気が良く、さらに、台湾中央部に位置する南投に連なる山のおかげで台風の影響もほとんど受けません

wikipediaより

仕方がないと言えば仕方がないのですが、このような地理的な原因により今年は深刻な水不足に陥っています。

一時期は台湾最大の湖『日月潭』の水がなくなり、魚も大量に死んでいる状態でした。

ダムの貯水率も1%台となり、僕が住んでいる地域では毎週の火曜日と水曜日に計画断水が行われるようになりました。

市民の間では、断水の前日に生活に必要な分の水を貯めようとする断水対策が取られるようになり、スーパーなどでは大きなバケツや衣装ケースなどが大量に並べられました。

現在(6月9日時点)は梅雨入りしたおかげで、台中の徳基ダムの貯水率が10%程度まで回復し、計画断水は一旦終了することに決まりました!

ですがまだまだ油断はできない状況です。

コロナウイルス

コロナウイルスが全世界で拡大してから約1年半、台湾はこれまでコロナをほぼ完璧に封じ込めてきました。

しかし、2021年5月に入ってから市内感染が相次ぐようになり、5月下旬からは1日当たり300人~400人の感染者が確認されています。

6月8日の最新情報では、累計で11,694人の感染者308人の死亡が確認されています。

政府は警戒態勢をレベル3(最大4)に引き上げ、以下の対策を講じています。

・映画館や美術館など娯楽施設の封鎖
・マスク着用の義務化
・集会人数の制限(屋内5人、屋外10人まで)
・感染者接触可能性確認アプリ
・学校の授業をオンラインへ移行
・飲食店は持ち帰りのみ
・入店時の個人情報記入(実連制)

当初は6月14日までレベル3を維持する計画でしたが、感染者数が一向に減らないため6月28日まで延長することが決まりました。

上述した計画断水とコロナショックにより、非常に多くの企業が倒産に追い込まれている状況です。

そんな中、日本からのワクチン124万回分の支援があり、ツイッターでも「日台友好」がトレンド入りするなどの社会現象もありましたが、茂木外務大臣の以下の会見を受けて、今台湾国内では政治的な対立が活発化してきています。

気になる方はこちらの記事をどうぞ(英語)

Foreign ministry refutes rumor Taiwan insisted 1.24 million vaccine doses from Japan sufficient | Taiwan News | Jun. 8, 2021 11:10

1日でも早く、以前のように平和で退屈な台湾生活に戻れることを祈っています。

三大事件を振り返って

この半年間で生活インフラが破壊され、生活スタイルがガラッと変わりました。

どれも深刻な事件と言えますが、いい面もあったように思います。

1つは、電気や水、そして当たり前の日常に感謝できるようになったことです。

普段は鬱陶しいと感じる雨でも、雨が降らなければ僕たちは生きていけません。

また近年の猛暑の中で、エアコンなしで生きていくことは(僕には)不可能です。

もう1つの良かった発見は、人間はどんなに困難な状況でも生きる術を見つけられるということです。

今回の件も、初めは生活が不便になったと感じた人も多いと思いますが、次第に慣れている自分もいました。

大変な時代ですが、これからも前を向いて一瞬一瞬を充実させていきましょう。

今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。